一言に"精神疾患"といっても、その種類はさまざまです。
同じ症状が見られることがあっても、病名が異なるケースもあります。
どんな精神疾患があるのか、WHO(世界保健機関)が作成している「ICD-10」をもとにご紹介していきます。
ICD-10では、全部で10項目で精神疾患の症状を分類しています。
①症状性を含む器質性精神疾患
脳に負った損傷や、脳梗塞といった脳そのものに起こった異常によって引き起こされる精神疾患になります。
アルツハイマー病・脳血管痴呆・せん妄・脳外傷・脳炎後症候群などがあります。
認知症
器質性精神疾患とは即ち外因性の精神障害の総称ですが、代表的な症状に「認知症」があります。
認知症は脳の神経細胞の障害や脳出血や脳梗塞などの外因性により慢性的に進行する特徴があります。
認知症も分類化されており、大きく下記の4つに分けられています。
①アルツハイマー病
②血管性認知症
③レビー小体型認知症
④前頭側型認知症
以上の分類からさらに「中核症状」と「周辺症状」の2つに分けられます。
「中核症状」に有効な薬を【抗認知症薬】と呼んでいます。
認知症のいずれの症状も抗認知症薬を適切に使用することで、症状の進行を遅らせることができます。
代表的な抗認知症薬には以下が挙げられます。
・アリセプト
・メマリー (リンク先はジェネリック医薬品です)
・レミニール
・イクセロンパッチ
②精神作用物質使用による精神及び行動の障害
麻薬や覚せい剤などの禁止薬物の使用や、アルコール・睡眠薬など日常的に使用するものによって起こる精神や行動の障害になります。
依存症・離脱症状・急性中毒・精神病性障害などがあります。
ニコチン中毒
ニコチン中毒も「精神作用物質使用による精神及び行動の障害」のひとつです。
ニコチンとはもちろんタバコに含まれる有害物質です。
ニコチンは体内に取り込まれると脳内のニコチン受容体と結びつき、ドーパミンという快感物質を放出させます。
このドーパミンが喫煙で落ち着くいたりホッとする仕組みです。
ニコチンの効果が切れるとイライラしたりソワソワする離脱症状(禁断症状)があらわれます。
この離脱症状(禁断症状)が禁煙を難しくさせている原因です。
禁煙治療薬には大きく分けて、ニコチンをタバコ以外から代替して摂取させるニコチン置換療法と、それ以外のものに分けられます。
【ニコチン置換療法】
・ニコチンガム
・ニコチンパッチ
【それ以外】
・チャンピックス
・ザイバン(リンク先はジェネリックです)
チャンピックスやザイバンはニコチン受容体やドーパミン放出に影響を及ぼしニコチンの離脱症状を緩和させる働きがありますので根本的なニコチン中毒の治療をすることができます。
アルコール依存症
アルコールを慢性的に摂取することで依存してしまうアルコール依存症も精神作用物質使用による精神及び行動の障害のひとつです。
精神依存することによって飲酒が物事の最優先となり、生活習慣や人間関係に深刻な悪影響を及ぼします。
アルコール依存症による離脱症状も手や全身の震えや発汗をはじめ、幻覚や幻聴も引き起こします。
アルコール依存症の治療方法はさまざまありますがアルコール依存症治療薬(抗酒薬・断酒補助薬)による薬物療法も有効な選択肢です。
【抗酒薬】
抗酒薬の主な働きは、二日酔いや悪酔いの原因物質「アセトアルデヒド」の分解を阻害することで飲酒が不快なものにするはたらきです。
代表的な薬はノックビンという薬名で販売されており、当サイトでは同成分のジェネリックであるクロノールを取り扱っています。
【飲酒欲求を低減させる医薬品】
2013年5月に新しく認可されたレグテクトという薬は脳に作用し、「飲みたい欲求」そのものを軽減させる作用があります。
当サイトでは同成分のジェネリックであるアカンプロルとアキャンプタスとを取り扱っています。
その他、国内未承認のオピオイド拮抗薬であるレビアのジェネリックであるノディクトも取り扱っています。
アルコールがオピオイド受容体と結びついて得られる多幸感を、ノディクトが先回りしてオピオイド受容体と結合することで飲酒への欲求を抑える働きがあります。
③統合失調症・統合失調型障害及び妄想性障害
統合失調症をはじめ、それに近い精神疾患が含まれています。
統合失調症・持続性妄想性障害・感応性妄想性障害・急性一過性精神病性障害などがあります。
④気分障害
正常とされる範囲以上に落ち込んでしまったり、高ぶった気持ち(高揚感)が長く持続する気分の障害になります。
うつ病・躁うつ病・反復性うつ病性障害・持続性気分障害・特定不能の気分障害などがあります。
⑤神経症性障害・ストレス感染障害及び身体表現性障害
からだそのものには異常がないものの、心理的なことや性格的なこと、葛藤などが原因になって起こる障害です。
「ノイローゼ」という言葉が広い意味で使われていました。
パニック障害・恐怖神経症・強迫性障害・外傷後ストレス障害(PTSD)などがあります。
⑥生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
拒食症や過食と呼ばれる摂食障害や、睡眠障害、性機能不全などがみられる障害になります。
摂食障害・非器質性睡眠障害・性機能不全・器質性の障害などがあります。
不眠症
睡眠障害のうち不眠症に悩まされる患者は多いです。
不眠症を引き起こす原因は以下が挙げられます。
・身体的疾患
・精神的疾患
・薬理学的原因
・生理学的原因
・心理的原因
不眠症はさらに細分化されて、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に分けられます。
睡眠薬を選ぶ際はどの睡眠障害に該当するのかを知った上で薬を選ぶ必要があります。
【入眠障害】
入眠障害とは、眠りに入りにくい/入れない状態を指します。
入眠障害の原因は精神的ストレス、体内時計の乱れ、体温が高いまま、光や音などの環境、疲れていない、服用している薬やカフェインなどの影響が挙げられます。
【中途覚醒】
中途覚醒とは眠りが浅く何度も目覚めてしまう状態を指します。
中途覚醒の原因は精神的ストレス、身体的ストレス、睡眠時無呼吸症候群、加齢、飲酒、などが挙げられます。
【早朝覚醒】
早朝覚醒とは、十分な睡眠時間に達する前に目覚めてしまう、かつ再度眠ることも困難な状態を指します。
早朝覚醒の原因はうつ病、加齢が挙げられます。
【熟眠障害】
熟眠障害とは、十分に寝ても熟眠感が欠如する状態です。
熟眠障害の原因はストレス、睡眠時無呼吸症候群、加齢、冷え性、生活習慣が挙げられます。
性機能不全
性機能不全(ED)とは勃起不全のことで、インポテンツとも呼ばれる男性に起こり得る症状です。
EDの原因は大きく分けて下記の4つに分けられます。
・器質性ED
・心因性ED
・薬剤性ED
・混合性ED
EDを治療にはカウンセリングが効果的な場合もありますが、優れたED治療薬が数多く出ています。
代表的なものとしては以下に挙げる4つがあります。
・バイアグラ
・レビトラ
・シアリス
・ステンドラ
それぞれに効果が長かったり、効き目の立ち上がりが早かったりと、ED治療に対して特色がある効果となっております。
当サイトでは安価なジェネリックをそれぞれで取り扱っています。
⑦成人の人格及び行動の障害
大多数の人とは違った行動によって自身が苦しんだり、周囲が困ってしまう人格障害や性行動に関する問題が含まれます。
人格障害・性同一性障害・性嗜好障害・特定不能の成人の人格および行動の障害などがあります。
⑧精神遅滞
生まれつき精神の発達が未熟であったり、成長の過程で精神の発達が止まってしまうなどの状態になります。
⑨心理的発達の障害
脳の機能が何らかの原因によって発達が遅れてしまい、その影響から心理的発育障害となり、いわゆる自閉症などが含まれています。
会話及び言語の特異的発達障害・学習能力の特異的発達障害・運動機能の特異的発達障害などがあります。
⑩小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害
幼児期から青年期にかけてはじめて診断される障害になります。
多動性障害・行為障害・小児期に特異的に発症する情緒障害・チック障害などがあります。
このように、メンタルヘルスの不調によって起こる病気はさまざまです。