クラミジアとは
クラミジアとは・・・クラミジアトラコマティスという細菌が原因となる、国内でもっとも感染者数が多いとされている性感染症(STD)になります。
感染者とのあらゆる性行為により性器や肛門、ノドに感染し、誰にでも感染する可能性があります。
感染すると初期症状が現れますが無自覚が多く、悪化すると不妊症やHIVなどの感染につながります。
悪化や感染拡大を防ぐためには、適切な検査と抗生物質による治療が必要となります。
どちらも個人輸入で購入することができるので、早期に検査と治療を行うことが大切です。
一度、クラミジアに感染すると不快な症状が現れることはもちろん、適切な治療を行わなければ後に男女ともに「不妊症」の原因となることもあります。
また感染を放置してしまうと、免疫力が低下することでさまざまな感染症のリスクが高まります。
クラミジアに感染している人の約20~30%は淋病という、他の性病にも感染しているというデータがあります。
他にもHIVへの感染率が3~5倍に高まることも分かっています。
性病を甘くみてはいけません。
推定では日本国内に100万人以上の感染者がいると考えられていて、特に感染が多く見られる年代が10~20代前半の若年層です。
感染者の約70%が10~20代とされ、性の低年齢化や性病に対しての予防知識が薄いことなどが原因とみられています。
クラミジアは感染者数も多いことから身近に感染しやすいとも言えるので、早期治療が大切です。
クラミジアの治療方法
クラミジアの検査には病院はもちろん、自宅でも性病検査キットを購入することで行うことができます。
検査で「陽性」であれば、抗生物質による治療が必ず必要になります。
クラミジア治療に効く抗生物質はジスロマックやクラビットなどがあります。
自然治癒することはないので、悪化や感染拡大を防ぐためにきちんと治療を行っていきましょう。
クラミジアの症状
男女の性器の構造が異なるように、感染してから男女に現れる症状も異なります。
ここでは男性・女性に分けた初期症状と、咽頭(ノド)と肛門(アナル)に感染したケースもご紹介します。
男女が共通しているのは、「潜伏期間」と「ウィンドウ期間」になります。
ウィンドウ期間は、細菌やウィルスに感染してから検査が可能になるまでの期間となっています。
クラミジアの潜伏期間とウィンドウ期間は、次のようになっています。
- 潜伏期間・・・1~2週間
- ウィンドウ期間・・・2~7日
初期症状は潜伏期間が経過後に現れるので、感染者とSEXしたからといってすぐに症状は現れません。
男性の症状
男性で感染した人の50%は症状に無自覚だと言われています。
クラミジアは「尿道」へと感染します。
初期症状は、次の様になります。
- 膿のような分泌物の排泄
- 排尿時に軽い痛み
- 尿道にかゆみや違和感
- 軽い発熱、痛み
これらの症状は尿道に炎症が起きて「尿道炎」が起こっていることで現れます。
膿の量は少なめで、サラサラしたものから粘り気が強いものもあります。
50%が無自覚ということもあり、悪化すると男性不妊の原因にもつながっていきます。
女性の症状
女性で感染した人の80%は無自覚だと言われています。
クラミジアは子宮の入り口である「子宮頚管」へと感染します。
初期症状は、次のようになります。
- オリモノが増加
- 不正出血
- 下腹部に痛み
- SEX時に痛み
こういった症状は生理前や体調不良時にみられるものでもあるので、多くの人が感染に無自覚だと言われています。
放置してしまうと、感染は膣の奥へと広がり肝臓(肝周囲炎)にまで達することもあります。
不妊症はもちろん、子宮外妊娠にもなるので要注意です。
~クラミジア感染世界一は日本の女子高生~
風俗店などのサービスがあることから「性病といえば、男性」というイメージをもたれている人もいると思います。
しかし、クラミジアは日本の女子高校生がなんと世界トップクラスの感染率となっています。
高校生を対象に行われた調査によれば、クラミジア感染について次のような結果がでています。
- 男性高校生・・・6.7%
- 女子高校生・・・13.1%
クラミジア感染は女子が男子の2倍という結果がでています。
この確率から考えれば、1クラスが30人の学校なら・・・クラスに1人はクラミジアに感染した経験をもっているということになります。
しかも、年齢別に分けるとさらに驚きの結果が出ています。
高校1年生の女子の感染率は17.3%という結果になっています。
さらに「SEXの経験人数が5人以上」と答えた女子高校生は約30%が感染した経験をもっていることが明らかになっています。
この感染率は先進国の中でも目立って高く、日本の女子高校生は世界でもトップクラスでクラミジアに感染していることが分かっています。
咽頭(ノド)の症状
ノドに感染することで、咽頭クラミジアとなります。
初期症状は、次のようになっています。
ただし、咽頭クラミジアの場合には症状が現れないことがあります。
また、性器に感染している女性の10~20%は咽頭からもクラミジアが確認されたという報告もあります。
性器の検査だけでなく、咽頭(ノド)の検査もいっしょに行うようにしてください。
肛門(アナル)の症状
クラミジアが肛門(アナル)に感染した場合には、「直腸炎」を起こします。
直腸の中では炎症が起こり、イクラくらいの大きさの隆起(りゅうき)がたくさん現れます。
初期症状は、次のようになっています。
このような症状がほとんど現れないこともあります。
直腸検査などで、偶然みつかることも少なくないと言われています。
ちなみに、肛門(アナル)のクラミジア検査方法は分かっていません。
クラミジアの原因トラコマティス
クラミジアは細菌が原因になって感染する性病です。
とはいっても、その細菌にもいくつか種類があるとされています。
最近、急増しているのが「クラミジアトラコマティス」という大きさが0.2~0.3ミクロンほどの小さな細菌です。
伝染性の結膜炎トラコーマの原因でもあることから、この名称が付けられています。
名称から分かるように、もともとこの菌は眼科領域でとても有名でした。
目の中に入ると「結膜炎」を起こしていたからです。
日本は経済発展に伴いインフラなどもきちんと整備され、水が綺麗になっているので目に感染することは少なくなりました。
しかし、発展途上国では現在でも、重い結膜炎や失明の恐れもある菌として知られています。
私たちが生活する日本では人の性器にだけ残り、クラミジアを起こす原因菌として広く知られています。
また1つの特徴として、「自分で繁殖できない」ということがあげられます。
つまり宿主が必要で、それが人の性器などになります。
人の性器などに寄生し、人の細胞が代謝されることで増殖していきます。
つまり、日常生活では感染することはないと考えられています。
- トイレの便座
- お風呂
- コップやペットボトルの飲みまわし
- 空気感染
上記のような日常生活において、考えられる事柄では感染することがないので、いたずらにクラミジアに感染した人を避ける必要はありません。
クラミジアの感染経路
クラミジアに感染してしまう経路は、あるゆる性行為によって感染します。
- 通常の方法で行われるセックス
- アナルセックス
- オーラルセックス
これらの行為は感染者と粘膜同士が触れ合うことや、精液または膣分泌液などから細菌が人から人へとうつります。
通常の方法で行われるセックスに関しては、男女の性器に感染します。
また、オーラルセックスは咽頭(ノド)に感染します。
ノドに感染すれば「咽頭クラミジア」となり、発熱やノドに痛みのある「咽頭炎」「扁桃炎」を起こします。
咽頭クラミジアに感染している人とのディープキスも、唾液から感染する可能性があります。
もっとも厄介なのがアナルセックスです。
直腸へ感染してもその症状がでることはほとんどなく、「直腸炎」を起こします。
女性のケースではアナルセックスをしていないのに、直腸に感染していることが稀に確認されます。
これは膣に感染していたクラミジアが、膣分泌液といっしょに肛門に流れてしまい、自分の肛門に感染させてしまいます。
放置の危険性
クラミジアは感染していることに中々気づきにくい性感染症です。
特に女性はほとんどの人が自覚症状がありません。感染していることに気付いていないのであれば放置してしまうのも当たり前です。
では放置したことによる危険性とはどんなものでしょうか。
まず放置したことにより感染者が増加してしまいます。感染していることに気付かないまま、また他の人との性行為で感染させてしまいます。この悪循環はその先も続いてしまうのです。
そして放置したことによりクラミジアが体内に進行し、男性の場合は前立腺炎、副睾丸炎、腎炎や肝炎などでなってしまう事もあります。女性は、急性腹膜炎、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎になるさらに重症化する恐れもあります。
男女ともに不妊症になるという関連性も指摘されています。
クラミジアに感染するとエイズなどの他の性病に感染する確率が3倍~5倍にも膨れ上がるとも言われている大変怖い感染症なのです。
wikipedia - 性器クラミジア感染症
クラミジアの予防方法
クラミジアの予防方法ですが、100%感染を防ぐには性行為をしないという方法がります。しかし中々この予防方法は難しいものです。そこで不特定多数の性行為が感染の確率をさらに上げてしまうので、性行為のパートナーは限られた人とするのが好ましいといえるでしょう。
そしてコンドームの着用が重要です。100%予防できるわけではありませんが、かなり高い確率で予防することができます。これはオーラルセックスでもいえることです。