個人輸入とは、日本国内にいながら個人が自身で利用する目的において、直接海外の製品を購入することを言います。
現在では多くの方が海外のブランド品や化粧品など、日本では発売されていない様々な商品を個人輸入を有効活用し購入しています。
たとえば日本では未認可の海外医薬品を購入したい場合、ドラッグストア等はもちろん、病院でも処方してもらうことができません。
しかし現在の薬事法では、海外で認められ販売されている医薬品であれば、日本で取り扱っていなくても購入できるようになっているのです。とても便利なシステムですが、「個人輸入って難しそう…」と思われる方は多くいらっしゃいます。その大きな理由として、言語の壁が挙げられます。
実際に直接海外のお店や企業と連絡を取り合う際は、すべて販売元の母国語でやり取りをする必要があります。また支払い時は$(ドル)など現地通貨での計算となるので、支払いトラブルや商品が届く過程で問題が発生してしまっても、その国の言語で問い合わせをしなければいけません。
これだけを聞くと個人輸入を利用して海外製品を購入することは、ハードルがとても高く感じられます。そこでそのような問題を解決するために存在するのが、現在多くの方から高く評価され、注目されている個人輸入代行サイトです。
個人輸入代行サイトは、製品名や使用方法を全て日本語で表記し、海外のお店や企業と購入者の仲介をしてくれます。そのため外国語が苦手な方でも日本国内の通販と同じような感覚で、安心して海外医薬品を注文、購入することができるのです。
しかし個人輸入をする際には、厚生労働省が定めた薬事法をしっかりと理解し守る必要があります。そのルールは以下の2つになります。
- 個人的な利用に限る(購入者の本人名、本人住所でのみ購入可能)
- 医薬品(ジェネリック医薬品も含む)の注文数は2ヶ月分未満
※医薬品(ジェネリック医薬品)以外の個人輸入制限数は以下のようになっています。
- 要指示薬(医師からの処方が必要) ・・・ 1ヶ月分以内
- サプリメント剤 ・・・ 4ヶ月分以内
購入者の家族や友人に代わっての注文や、販売目的での個人輸入はできません。さらに購入者本人以外の氏名(会社名や偽名)でも、税関を通過することができませんのでご注意ください。
個人輸入と処方せんの違い
日本国内でお薬を処方してもらいたい場合、通常は病院に行き医師の診察を受け「処方せん」を受け取ります。ここでいう処方せんとはどのようなものなのでしょうか。
知っている方がほとんどだとは思いますが、処方箋とは、医師が必要な薬の量・投与方法等を記した書類です。言い換えると「お医者さんが、処方したお薬に対して責任を持つ」ということを示したものです。
この、医師が記した処方箋の指示にしたがって、薬剤師が調剤し、お薬を患者さんに渡す、というのが日本国内での一般的な流れになります。
国内の病院でお薬を処方してもらう場合は、以下の点に注意する必要があります。
- 保険適用のお薬かどうか
- 長期的に服用が必要な場合でも、毎回医師の処方が必要かどうか
- 薬事法によって、どんなお薬であっても処方せんが必要であるということ
もし保険適用外のお薬を長期的に服用する必要がある場合、経済的な負担だけではなく、毎回病院を受診し薬局に行くという時間的な負担がかかってしまうことが考えられます。
では、先ほどオススメをした個人輸入代行サイトを利用すると、どのような流れでお薬が自分の元に届くのでしょうか。病院処方とは異なり、以下のような流れになります。
- 「医薬品を個人輸入代行サイトで注文」
↓
- 「個人輸入代行業者が海外の医薬品業者へ注文伝達」
↓
- 「注文を受けた海外の医薬品業者がお薬を発送」
↓
- 「注文から10日前後で手元にお薬が届く」
つまり、普段利用している一般的な通販サイトと同じように購入したい商品を選んで入金するだけの簡単な方法で海外の医薬品を手に入れることができるのです。何かあったら日本語で問い合わせが可能ですし、面倒な輸入手続きも必要ありません。
また、個人輸入では処方せんを必要としません。そのため病院処方と比べると個人輸入は、経済的にも時間的にもコストを抑えることができるのです。
個人輸入のメリット・デメリット
個人輸入という画期的な方法が利用されるようになり、様々な病気や症状への対策・治療の質が飛躍的に良くなりました。
そんな個人輸入ですがいくつかデメリットも存在しますが、知識として知っておけばより快適に個人輸入を活用していけるでしょう。
メリット
- 日本で買うより安く購入できる商品がある
- 日本では販売されていない商品がある
- 自分の好きな時に薬が手に入る
- 家にいながら買い物ができる
- 病院で診察を受ける手間を省ける
- 保険が利かないお薬を安く購入できる
デメリット
- 処方せんがないため自己責任
- まとめ買いができない
- 手元に届くまで時間がかかる
- 副作用や飲み合わせの問題
個人輸入の注意点
安全に個人輸入をしていただくため、以下の注意点をよく理解し守ってください。
【購入する医薬品についてしっかりと調べる】
海外医薬品は処方せんを必要としないものがほとんどなので、誰でも簡単に購入することが可能です。しかしどんなお薬にも必ず副作用や飲み合わせの問題が生じます。お薬について何も調べずに服用し、重い副作用が出てしまっても個人輸入は医師の処方を受けていないため、全て自己責任になります。また海外医薬品は日本人用に開発・作製されたお薬ではないので、記載された用法用量を守りそのまま服用してしまうと、身体に不調が表れる可能性があります。そのため一度病院に行き、処方されたお薬と同じものを個人輸入で購入することをオススメします。購入したお薬の効能をきちんと得るためにも、服用する前に自分自身でしっかりとお薬について調べておきましょう。
【自己判断をしない】
症状がとても似ているが、全く違う病気だった・・・という場合があります。
特に性病(性感染症)の初期症状では似たような症状が出ることが多く、自己判断でははっきりとした病名はわかりません。たとえば汗腺に脂肪が溜まり、陰茎の包皮に白く小さなブツブツができる「フォアダイス」は「尖圭コンジローマ」と誤解されることがあります。フォアダイスに治療は必要ありませんが、自己判断をして尖圭コンジローマの治療薬を服用してしまうと、効果がないのはもちろん体調を崩してしまう可能性があります。このように症状だけを見て自己判断をくださずに、まずは一度医師の元で検査を受けてから個人輸入を利用しましょう。
【医薬品使用者本人の名義で購入する】
以前にもお伝えしましたが、海外医薬品の個人輸入は購入者本人以外での使用目的では購入できません。友人や家族に頼まれての購入や、男性名義で女性用の医薬品を購入してしまうと税関に疑われ、大きなトラブルを招く可能性があります。必ず本人の名前と住所を記載して商品を送付してください。
上記3つの注意点を守り、正しく個人輸入をしていきましょう。
薬事法
日常生活で使用するシャンプーや歯磨き粉、また体調が優れない時には頭痛薬などを服用することでしょう。それらの容器には「医薬品」または「医薬部外品」と記載されています。
この表記は私たちが服用するお薬や肌に使用する薬品に対して体への有効性と安全性を確保するという薬事法です。
薬事法は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療器具の4種に分けられているとても厳しい法律で、昭和35年に制定されました。
この薬事法が個人輸入で海外医薬品を購入する際に大きく関与しており、ここでは「輸入が禁止されている薬物」について詳しく説明していきます。
まず1つ目は「麻薬及び向精神薬」です。
これは医師に処方された本人がお薬を持ち日本国内に入国する場合を除いて、勝手に海外から持ち帰ったり輸入することはできません。「麻薬及び向精神薬」に該当するのは以下の2つになります。
- 医療麻薬 ・・・ モルヒネ、フェンタニルなど
- 医療用向精神薬 ・・・ ジアゼパム、トリアゾラムなど
※1ヶ月分を超える量もしくは注射剤を携帯して輸入する場合、医師からの処方せんの写し、なぜその医薬品が必要かを証明する書類を併せて携帯する必要があります。
2つ目に「覚せい剤及び覚せい剤原料」です。覚せい剤は当然ですが輸入が禁止されています。
メタンフェタミンやアンフェタミンのほかにも、覚せい剤の原料であるエフェドリンなども一定濃度を超えると輸入禁止となり、違反すると「覚せい剤取締法」の規定により処罰されます。また近年ニュースなどでよく耳にする「危険ドラッグ」に含まれている物質も、薬事法によって1300種類の指定薬物に選ばれており、輸入できません。
3つ目は「大麻」です。こちらも覚せい剤と同様「大麻取締法」により、大麻草であるカンナビス・サティバ・エルや大麻樹脂などの輸入も禁止されています。また上記で述べた3つ以外にもワシントン条約によって、輸入することができない以下のような医薬品があります。
※ワシントン条約とは、絶滅のおそれのある野生動植物が国際取引によって利用されるのを防ぐため、国際協力をしようと定めた条約です。
- 犀角(サイの角)
- じゃ香(ジャコウジカの分泌物)
- 虎骨(トラの骨)
- 熊胆(クマの胆のう)
上記のものが少量でも含まれていた場合処罰の対象になりますので、購入する医薬品の成分をしっかりと確認し注意してください。そのほかにも薬事法以外で輸入が禁止されている医薬品があります。
「関税法」に基づいて、たとえ医薬品でも知的財産権侵害にあたるものは輸入することができません。もともとある薬を誰かが勝手にコピーした商品が出回り、服用してしまうと身体に害が及ぶ可能性があるのはもちろん、開発した側の権利を侵害することにも繋がります。
このように医薬品の個人輸入には、薬事法やその他の理由によって禁止されているものがいくつか存在しています。知っていて損ということはありませんので、ぜひ上記の輸入禁止薬物を参考にして個人輸入を有効活用してみてはいかがでしょうか。
消費税と関税
医薬品を個人輸入する場合、ほとんどのケースで関税は発生しません。ただし商品の購入金額が10,000円を超える場合、稀に消費税と税関手数料が発生する可能性があります(課税対象額16,667円の60%=10,000円)。
もし課税が発生する場合には商品と一緒に「国際郵便物課税通知書」が届きます。その際には課税額(購入代金によるが1000円前後)を配達人へお支払ください。