抗不安薬
抗不安薬は不安障害など、不安を和らげてくれるお薬です。また、軽度のうつ病に用いられる場合もあります。お仕事や人間関係などで精神的に不安定なことが多い方にオススメです。
抗不安薬の一覧
抗不安薬とは
抗不安薬とは、不安を和らげてくれる効果がある薬になります。
安定剤や精神安定剤と呼ばれることもあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
種類が多いことから、自分に合う抗不安薬を見つけられるか疑問に思う方も少なくありません。
強い不安を抱える方にとって役立つ薬であることは間違いありませんが、その一方で過剰な服用や乱用、依存なども問題になることが多いです。
どんな薬にも言えることですが、正しい服用が求められます。
抗不安薬には、次の2種類の系統に分けることができます。
- ベンゾジアゼピン系
- セロトニン1A部分作動薬
治療に用いられる機会が多いのは「ベンゾジアゼピン系」の薬になります。
セロトニン1A部分作動薬は副作用が少なく抑えられ安全性には優れているものの、抗不安効果が弱いことから今ひとつ普及していません。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の特徴
ベンゾジアゼピン系を代表する抗不安薬には、次のような薬があります。
医薬品名 | 作用時間/強さ |
---|---|
デパス | 短時間(6時間前後)/強 |
ワイパックス | 中時間(12時間前後)/強 |
ソラナックス | 中時間(12時間前後)/中 |
メイラックス | 長時間(24時間以上)/中 |
リーゼ | 短時間(6時間前後)/弱 |
急に強まってくる不安には短時間のタイプ、持続する不安であれば長時間のタイプと、症状に適したタイプの薬を使うことが大切です。
ベンゾジアゼピン系の薬にはしっかりとした抗不安作用があるものが多く、薬の種類によっては即効性に優れるものなどもあります。
またベンゾジアゼピン系の薬には抗不安効果に加えて、次の3つの作用があります。
■筋弛緩作用
筋肉の緊張した状態を緩和する作用
■催眠作用
眠くする作用
■抗けいれん作用
けいれんを抑える作用
4つの作用があるのも特徴で、精神疾患のみならずさまざまな病気に応用して使われることがあります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬のジェネリック医薬品
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬であるデパスにはジェネリック医薬品があります。
エチラームがジェネリック医薬品にあたり、錠剤や舌下錠(舌の下で溶かす錠剤)などのタイプも海外通販(個人輸入代行)を利用することで購入することができました。
しかし、乱用や依存などが問題となり薬事法によって輸入禁止の対象となりました。
ベンゾジアゼピン系の薬は乱用の問題はもちろんですが、定期的に服用することで「依存」や「耐性」の問題が生じます。
- 依存 → 薬がないと心身ともに落ち着かなくなってしまい、薬の効き目が切れると離脱症状などを起こす
- 耐性 → 薬にからだが慣れることで薬の効きが悪くなってしまい、薬の量を増やさないと効果がなくなってしまう
耐性が生じることで服用量が増え、気付いた時には依存しているという悪循環を招くことがあるので、ベンゾジアゼピン系の薬の服用には注意が必要です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用には、「GABA」という神経物質が関わっています。
このGABAは、脳の中枢神経のはたらきを抑える物質になり、ベンゾジアゼピン系抗不安薬はGABAのはたらきを強める作用があります。
つまり、GABAのはたらきが活発になることで脳の活動が落ち着き、こころの不安や緊張を和らげることができるようになります。
セロトニン1A部分作動薬
セロトニン1A部分作動薬はセディールのみが国内で用いられています。
副作用が少ないことが特徴で、依存や耐性の問題も生じない薬です。
また抗うつ効果もあるのも特徴です。
しかし安全性に優れるものの、抗不安効果が現れるまでには2週間近くかかることや、ベンゾジアゼピン系抗不安薬にくらべ抗不安効果が弱いことから処方機会は少ないです。
ですが、安全性が高いことから長期的な服用は望ましくないものの、必要がある場合には第一選択の薬になります。
セロトニン1A部分作動薬の海外・ジェネリック医薬品
海外通販(個人輸入代行)を利用することで、国内では処方されていない海外医薬品やジェネリック医薬品を低価格で購入することができます。
国内処方が行われているセディールには海外医薬品があり、抗不安薬を長期的に服用するのであれば治療費を安く抑えることができます。
また海外で用いられている抗不安薬にバスパーという抗不安薬があります。
これもセロトニン1A部分作動薬になり、バスポンやバスピンといったジェネリック医薬品もあります。
長期服用や常備しておくことで、速やかに不安症状を改善することができます。
セロトニン1A部分作動薬の作用
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、不安や緊張で過敏になった神経を"抑え込む"方法で作用していました。
一方、セロトニン1A部分作動薬は不安などに関係する部分を"狙い打つ"という方法で作用します。
神経物質の1つであるセロトニンの受け皿となるのがセロトニン受容体です。
受け皿となるセロトニン受容体には、2つの種類があります。
- セロトニン1A受容体 → セロトニンの分泌を抑えるはたらきがある
- セロトニン2A受容体 → セロトニンが作用することによって、不安が引き起こされる
不安障害やうつ病の患者さんは神経物質のバランスが崩れ、セロトニンが不足あるいは過剰に分泌されている状態になっています。
セロトニン1A部分作動薬は、名前のとおりセロトニン1A受容体に作用します。
セロトニンが不足している状態で服用することによって、崩れたセロトニンのバランスを整えるように作用します。
一方でセロトニンが過剰に分泌された不安障害の場合には、そのセロトニンの分泌を抑えバランスを整えるように作用します。
セロトニンのバランスを正常に整える作用によって、抗不安効果や抗うつ効果を期待することができます。
セロトニン1A受容体のみを狙って作用し、他の部分に作用しないことから副作用が少ないとされています。