シミ
一口にシミといっても様々な種類があります。思春期に目立つそばかすもシミの一種です。シミの種類や原因、治し方を解説します。
シミの一覧
シミとは
シミとは肌に「メラニン」という色素の沈着が起きた状態のことです。
肌の悩みに関する調査によれば、男女共にシミに悩んでいる方が最も多く、中でも女性の場合は5人に1人が悩んでいるとされています。
また年代別に見ていくと、男性の場合は40代、女性は30代からシミが気になり始めることも分かっています。
このように、シミは一番身近な肌の老化現象であるとも言えます。
ですが現在シミに悩んでいる方であっても、原因や治し方を知っていれば予防をしたり、できてしまったシミを消すこともできます。
「自分はまだ若いから大丈夫」だと思う方も、今のうちからシミ対策に取り組むことが大切です。
シミのメカニズムを知り、美しい肌を保ちましょう。
シミの治し方
既にできてしまったシミを自分で消すことは難しく、「薬などによる治療」か「クリニックでの治療」のどちらかで除去する必要があります。
薬などを使ってシミを消す場合は、「トレチノイン」「ハイドロキノン」「トラネキサム酸」などの美白成分が含有されたものが効果的です。
通販でも購入できる海外製品の一例としては、次のようなものがあります。
- トレチノイン ・・・ BIHAKUENトレチノインクリーム、レチノAクリーム
- ハイドロキノン ・・・ BIHAKUENハイドロキノンクリーム
- トラネキサム酸 ・・・ トランサミン、トラネミック
クリニックでの治療の場合、最も代表的なのがレーザー治療です。
費用はクリニックによって異なり、最低でも2~3ヶ月ほどの治療期間が必要になるとされています。
他にもシミの原因となる紫外線への対策や毎日のスキンケアを行うと効率的にシミを防ぐことができます。
またバランスの良い食事も欠かせず、特に美白成分とも呼ばれるビタミンC・Eなどを摂取することもオススメです。
シミの原因
シミは、メラニンが過剰に作られることで発生します。
ではなぜメラニンが作られるのかというと、本来は人のからだが持つ防御反応によるものなのです。
簡単に説明すると、まず人の皮膚には「メラノサイト」という色素を作る細胞が存在しています。
人の肌に"ある特定の刺激"が加わることで、その刺激から体内の細胞を守るため表皮からメラノサイトに対して"メラニンを作れ"と命令が送られることでメラニンが作られます。
刺激→表皮からの命令→メラノサイトが活性化→メラニン生成
このような過程により作られた"メラニン"は、通常はターンオーバー(肌の生まれ変わり)によりアカとなってからだの外に排出されます。
ですが、肌への刺激はメラニン生成を促進するだけでなく、肌を老化させてターンオーバーの周期を遅らせてしまうことがあります。
するとメラニンが増え続けるのと同時に排出も遅れて肌に溜まってしまい、それがシミとなって現れるようになります。
シミの原因になる刺激には、次のようなものがあります。
■紫外線
お肌の大敵と言われることもある紫外線ですが、まさにその通りで紫外線は肌にダメージを与えてしまいます。
そのダメージから細胞を守るためにメラノサイトが活性化し、メラニンが過剰に作られてしまいます。
■活性酸素
活性酸素は"酸化力が強い酸素"と言われ、からだの中の細菌を退治してくれるものです。
ですがからだを守る活性酸素が増え続けてしまうと、からだの細胞にまで攻撃を始めてしまうため細胞を守るためにメラニンが作られます。
活性酸素は次のような要因で増えてしまいます。
- 紫外線
- ストレス
- 睡眠不足
- 喫煙・過度な飲酒
- 激しい運動
など
これらの他にも、人が呼吸で取り入れる酸素のうち約2%が自然にこの活性酸素になるとされています。
■炎症
皮膚の炎症もシミの原因の1つです。
からだが炎症を治そうとする時に新しい細胞が作られますが、同時にメラノサイトも活性化されることでメラニンが作られてしまいます。
この場合の炎症の原因には、次のようなものが当てはまります。
- ニキビ
- 虫刺され
- 化粧品などによるかぶれ
- 洗顔・クレンジング時に強くこする
- やけど
シミの種類
シミには複数の原因がありましたが、それによってできるシミにも複数の種類があります。
ここでは、代表的なシミをご紹介します。
■老人性色素斑
シミの中で最も多いとされる、紫外線が原因のシミです。
「日光黒子」と呼ばれることもあり、30代以降の方によく見られます。
大きくても数10mmほどのサイズで、淡褐色や濃褐色の丸い色素斑です。
紫外線が当たりやすいおでこや頬に現れやすく、他にも腕や背中などの露出する部分に発生することもあります。
■肝斑
30~40代の女性に多いシミです。
頬骨、おでこや鼻の下に左右対称に現れるのが特徴です。
妊娠中やピルの服用中に現れやすく、また閉経と共に消えることから女性ホルモンが関係していると考えられています。
紫外線を浴びたり、※レーザー治療を受けたりすると悪化することもあるので注意して下さい。
※現在では医学の進歩により、レーザーの照射力を調整して肝斑を取り除く治療法も登場しています。
■炎症後色素斑
ニキビなどの炎症が原因で現れるシミです。
他のシミとは異なり、からだのどこにでもできる可能性があります。
多くの場合は1~2年ほどで自然に無くなるものの、日焼けなどの要因により消えにくくなることもあります。
■そばかす
白人の方や色白の方に多いそばかすもシミの一種です。
医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」とも呼ばれ、原因としては遺伝による影響が強いとされています。
一般的には幼少期から出始めて、思春期の頃に目立つようになります。
そばかすがある方の遺伝子は紫外線に弱いという特徴があり、日光により濃くなることもあります。
シミが現れる症状の1つに「日光角化症」があります。
日光角化症は紫外線に当たることが多い高齢者の方によく見られる皮膚病で、国内では毎年10万人以上の方に発症していると言われています。
治療をせずに放置していると10~30%ほどの確率で皮膚がんに移行する可能性があるため、日光角化症の段階で早めに治療をすることが大切です。
日光角化症によってできるシミには次のような種類と特徴があります。
- 紅斑型:かさぶたを伴う、表面がかさついた赤いシミ
- 色素沈着型:淡褐色~濃褐色のまだら状のシミ
- 疣状型(ゆうじょうがた):表面が固くなり、イボのようになったシミ
日光角化症の治療法には「外科手術」と「薬物療法」があり、薬物療法にはベセルナクリームなどの外用薬が用いられます。
痛みや痒みなどの自覚症状が少なく発見が遅れることもあるので、自分や周りの方の顔に疑わしいシミを見つけた時は早めに医療機関を受診しましょう。
美白効果のある成分
美白効果のある成分であるビタミンC、Lシステイン、パントテン酸カルシウムについてそれぞれ詳しく解説していきます。
ビタミンC
ビタミンCは私たちが生きていくうえで必要不可欠な成分ですが、美白にも欠かせません。
アンチエイジング効果のある抗酸化作用を持つため、肌の糖化を抑えてくれ、くすみやたるみ、ニキビ治療にも効果があります。
また、肌のたるみに効くコラーゲンの生成にビタミンCが必要な要素になってくるため、お肌の健康のために積極的に摂取したい栄養素の一つです。なお、ビタミンCは体内で生成することのできない栄養素のため外部から摂取する必要があります。
最近ではビタミンCを効率よく摂取できるサプリメントもありますのでそちらもオススメです。
Lシステイン
Lシステインとは、非必須アミノ酸の一種で髪の毛や皮膚、爪などを構成する成分となるたんぱく質です。シミの原因となる黒色メラニンの発生を抑えてくれる効果があるため美白効果が期待できます。
また、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを無毒化する作用も持つため二日酔い予防にも効果的です。なお、体内でメチオニンから合成することもできるため鶏肉や大豆、イワシなどからメチオニンを摂取することでLシステインを増やすことができます。
美白効果を得るにはビタミンCとの併用が不可欠となっています。ビタミンCと一緒に摂取することによって、美白効果を発揮することができるのです。
パントテン酸カルシウム
パントテン酸カルシウムとはビタミンの一種です。女性の脱毛症であるFAGAの治療薬としても近年注目を浴びている成分で、またの名をビタミンB5といいます。
パントテンには「至る所に存在する」という意味があり、あらゆる食品に含まれている成分で、欠乏してしまうと頭痛や疲労感などの体調不良に襲われます。
そのパントテン酸カルシウムですが、この成分は先ほどご紹介したビタミンCがコラーゲンを生成するはたらきを補助する作用があります。つまりパントテン酸カルシウムはビタミンCの美肌効果をさらに強めてくれる成分というわけです。
また、脂質異常症という生活習慣病の予防、改善にも効果があるため幅広い効果が期待できます。
紫外線を防ぐ方法
紫外線はお肌の天敵といえますが、防ぐ方法は塗り薬だけでなく様々あります。この項目ではあらゆる方面から紫外線を防ぐ方法をご紹介していきます。
日焼け止め
日焼け止めには塗るタイプが一般的ですが、飲むタイプもあります。
お薬110番で取り扱っている塗るタイプだとBIHAKUENデイクリームSPF30がおすすめです。肌に塗ることで紫外線から肌を守ってくれます。
日焼け止めに記載されているSPFやPAの数字、気にはなるけどなんとなくの方が多いのではないでしょうか?
■SPF…紫外線B派(UV-B)を防いでくれる指数。1~50+までの数値で、大きいほうが防御してくれる効果が高いです。
日本での最大数値は50で、超える場合もSPF50+と表示されます。
■PA…紫外線A派(UV-A)を防いでくれる効果を表す目安です。
4段階で表示され「+」の数で程度を表します。最高は「PA++++」でUV-A防止効果が極めて高いを意味します。
飲むタイプの日焼け止めだとシェードファクター、トランサミン、サンセーフRX、ヘリオケア・カプセルといった商品がオススメです。
体の内側から作用することで紫外線に強い体をつくってくれ、塗り薬と併用することもできます。
帽子
紫外線対策には帽子がオススメです。
アウトドアなどに出かける際、紫外線が気になるものですが最近ではオシャレなデザインのUVカットの帽子も続々でてきており、オススメです。
UVカット率の高い色というのがありますので好みのデザインと紫外線カット率を鑑みて商品をご検討になるといいかと思います。また、日常用、アウトドア、自転車用など用途別に様々な種類があり、折りたためるものも多いため、利便性に優れているといえます。
サングラス
目から紫外線の情報が入ると脳が紫外線に当たった時と同じ反応をしてしまうことで、日焼けが起きてしまいます。ですから日焼け対策を万全に行おうと思ったらサングラスをかけて目から紫外線が入らないようにしなければなりません。
ただサングラスでもUVケア機能が付いたものを選んでください。そうすれば目と肌の健康を守ることができます。
日傘
日傘で日焼け対策するのは非常にポピュラーな方法だといえますが、しっかりと効果があります。特に外側が白色、内側が黒色の日傘が紫外線をカットする色で、素材はUVカット加工されているものを選ぶとよいでしょう。
ただしUVカット加工の効果は使用することで劣化していくため、寿命があり大体2年程度といわれていますので定期的に買い替えを行う必要があります。
また、紫外線はアスファルトで反射するため日傘で日焼けを完全にカットすることはできないため他の日焼け対策も行う必要があることには留意しましょう。
手袋
日焼け止め対策として日傘とセットでよく用いられるのが手袋です。日焼け止め用の手袋はアームカバーやUV手袋などと検索すると多くの通販サイトの商品がヒットしますのでお求めの際はご参考にしてください。
手袋の選び方としては黒色のような濃い色が最も紫外線をカットしてくれる色となり、さらにUVカット加工がされていれば尚良しです。加えて素材はポリエステル、綿+ポリエステル、厚めの綿などが紫外線を通しにくいためオススメです。
また、蒸れが気になる方は冷感素材や通気性のいい素材を用いた手袋を選ぶとよいでしょう。
UVカットガラス
車でドライブしているときにガラスから入ってくる日差しや、部屋にカーテン越しに差し込んでくる日差しでも日焼けをしてしまいます。
なぜなら紫外線のUVAは雲やガラスを透過する性質を持つため、肌に紫外線が通ってしまうからです。
紫外線は美肌維持に必要なコラーゲンやエラスチンを壊し、シワやたるみの原因になります。
そこでオススメなのがUVカットガラスです。
車をご購入する際はドアガラスがUVカット加工されているかやカット率などを見るとよいでしょう。また、お部屋のガラスも専門の業者がUVカットガラスへの取り換え工事を行ってくれるため、日焼けに敏感な方は一度検討してはいかがでしょうか。
紫外線の種類
紫外線と一言でいっても様々な種類があることをご存知でしょうか?この項目では、紫外線UVC、UVB、UVAの3種類をご紹介していきます。
UVC
UVCはオゾン層で吸収される紫外線のため地表には通常は到達しませんが、地球温暖化の進行により、今後オゾン層が破壊されていくと地球上の生物の生態系に著しい影響を与える恐れがあります。
なぜならUVCには強い殺菌効果があるため、生物がこの紫外線を浴びてしまうと生体が破壊されるためです。
現在でもオゾンホールというオゾン層の濃度が薄い南極や北極といった地域では、UVCによる皮膚障害の症状例が見られているため今後オゾンホールの拡大が進めばUVCへの対策も必要となってくるでしょう。
また、逆にUVCのその強い殺菌効果を活かして除菌剤や殺菌剤などに人工UVCが用いられています。
UVB
UV-Bはオゾン層でほぼ吸収されますが、一部が太陽から地上へと届きます。
地上に届くのが少ないUV-Bですが、人体へ与える影響はUV-Aよりもはるかに高く、皮膚の表面を赤くさせ炎症などを引き起こさせます。肌が赤くなって水ぶくれができる日焼けなどはこのUV-Bが原因となります。
有害性はUV-Aの600~1000倍にもおよぶといわれています。
UVA
UVAはオゾン層などを通り抜け、物質を透過しやすい紫外線です。太陽から地上に届いている紫外線のおよそ9割がUVAとなっています。
肌に対して急激に損傷させる作用自体はさほど強くはありませんが、肌の奥まで浸透しそして蓄積的にダメージを与えます。それにより肌の潤いや弾力などを失わせてしまい、肌が老化してしまうのです。さらにメラニン色素に対して酸化させ、黒い肌へと変化させてしまうのです。
紫外線のメリット・デメリット
紫外線はよくないということは分かりますが、実はメリットもあります。
布団や洗濯物などは外に干して太陽光を浴びさせますが、紫外線のパワーでダニや微生物、そして細菌などを死滅させます。そして紫外線を浴びることで、人間は体の中でビタミンDを作ってもらうことができます。1日15分ほどの散歩で十分なビタミンDを摂取できます。
その他にも、光合成、体内時計の調整、新陳代謝の促進など紫外線は人間、そして他の生物にも無くてはならないものなのです。
紫外線は人間に必要なものですが、有害なデメリット部分もあります。
紫外線は皮膚細胞を損傷し、肌の老化を促進させる原因となります。シミやシワ、その他にも皮膚がん、白内障になりやすくなる、熱中症、日焼け、やけどなど多数存在します。
紫外線にはメリット面もあればデメリット面もあるので、これからも日焼け止めや、UVカット製品などを使い上手に紫外線と付き合っていくしかないでしょう。