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トラネキサム酸とは

トラネキサム酸(Tranexamic acid)とは

トラネキサム酸(Tranexamic acid)は、抗炎症作用や止血作用を有する成分です。
抗プラスミン剤「トランサミン」の有効成分であり、医療現場では手術による出血を抑えたり出血性がある病気を改善したりするために用いられてきました。
また、現在はシミの一種である肝斑を取り除く目的で使用されることも少なくありません。

そんな有用性があるトラネキサム酸ですが、使用することによって副作用を引き起こすリスクがあることも忘れてはいけません。
軽度な症状であることがほとんどですが、場合によっては悪化することも考えられます。
副作用のリスクを減らしたうえで正しく使用するためには、トラネキサム酸について詳しく知ることが必要不可欠です。

そこでここでは、トラネキサム酸がどのような成分なのかについてまとめてみました。

トラネキサム酸の効果

【止血作用】
血液成分のひとつとしてプラスミンがあります。
血液凝固を阻害するはたらきがあり、これが過剰に増加すると出血が治まりにくくなります。
トラネキサム酸には「抗プラスミン作用」があり、プラスミンのはたらきを阻害することで出血を抑えます。

このことから、咽喉頭炎や扁桃炎による充血、また線溶異常(外傷後に血が固まらず再出血する病気)による出血などの治療に用います。
また、手術中もしくは手術後の出血を止めるために使用されることも少なくありません。
このように優れた抗出血作用を有しており、その有効率は70%を超えるといわれています。

【抗アレルギー・抗炎症作用】
また、抗アレルギー作用や抗炎症作用があるのも特徴として挙げられます。
蕁麻疹や湿疹、薬疹といったアレルギー症状については約60%、扁桃炎や口内炎、歯肉炎といった炎症については約70%の有効率が認められています。

【美白作用】
シミの一種である肝斑に対して有効であることがわかっており、実際に肝斑を訴える患者に処方する医療機関が増えています。
このことから新たな美容成分としても注目を集めており、美白や肌荒れ改善のために用いるケースも少なくないようです。
最近はトラネキサム酸を配合した化粧品も少なくありません。

KEGG - トラネキサム酸

トラネキサム酸の副作用

止血作用や抗炎症作用、さらには美容効果もあるトラネキサム酸ですが、その一方で使用後に副作用が現れることがあります。
主な副作用として食欲不振や悪心、嘔吐、胸やけなどが挙げられます。
とはいえ、これらの副作用はいずれも一過性の軽度な症状であることが多く、また発症率についても0.1~1%未満と低めです。
必ず発現するわけではないので、深く心配する必要はないでしょう。

ただし、重症化した場合や日常生活に支障をきたす場合は、医薬品の使用を中止したうえで医師に相談することをおすすめします。

一方、同じく発症率は極めて低いものの、アナフィラキシーショックや痙攣といった重篤な副作用を招くケースも考えられます。
軽度な副作用に比べて命に関わるリスクが高いので、万が一異常が生じた場合は医薬品の投与を中止し、医療機関で適切な診察・治療を受けましょう。

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トラネキサム酸を含む医薬品

トラネキサム酸を含有する医薬品の代表例として、トランサミンが挙げられます。
血液内科や呼吸器内科をはじめ、さまざまな医科で処方されている薬です。
そんなトランサミンについて、効果や用法用量、副作用といった基本情報をまとめてみました。

トランサミン(タブレット)

トランサミンは、第一三共株式会社が販売する止血剤です。
白色の円形をした錠剤であり、1錠あたりトラネキサム酸250mgを含有する「250mg錠」と、1錠あたり500mg含有する「500mg錠」の2種類が販売されています。
有効成分トラネキサム酸のはたらきにより、出血の原因であるプラスミンを阻害することで止血作用を示します。
このようなはたらきがあることから、「抗プラスミン薬」とも呼ばれます。

成人の場合は通常、1日750~2,000mgを3~4回に分けて服用します。
症状の程度にあわせて1日の服用量を増減できますが、その場合は必ず医師に相談し、適切な指示を仰いだうえでその通りに行う必要があります。

安全性が高い医薬品ですが、食欲不振や吐き気といった症状が現れることがあります。
誤った方法で服用すると本剤の効果が損なわれる可能性があり、また上記のような副作用が強く現れるリスクが高まるので要注意です。

トランサミン(タブレット)の詳細はこちら

トランサミン(カプセル)

錠剤(タブレット)と同じく第一三共株式会社が手がける製品です。
有効成分トラネキサム酸のはたらきによって止血作用を発揮する点は錠剤と変わらず、全身性線溶亢進による出血傾向や扁桃炎による充血などの治療に有効です。
用法用量についても違いはなく、症状の程度にあわせて1日750~2,000mgを3~4回に分けて経口投与します。

一方、錠剤との違いとして、トラネキサム酸を250mg含有する「トランサミンカプセル250mg」という製品のみが販売されている点が挙げられます。
また、薬剤をカプセルに包んでいるため、医薬品独特の苦味が少なく、飲みやすい点もカプセル剤の特徴として挙げられます。

トランサミン(カプセル)の詳細はこちら

トラネキサム酸のジェネリック

トラネキサム酸を含有する医薬品には、新薬(先発医薬品)であるトランサミンよりも安価に購入できるジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。
ここでは、「トラネミック」「BIHAKUENトラネキサム酸」の2種類について紹介します。
治療にかかる出費を節約したい方におすすめです。

トラネミック

トラネミックはフィリピン・ブラカン州に本社を置くロイドラボラトリーズが販売する、トランサミンカプセルのジェネリック医薬品です。
カプセル剤として開発されている点は新薬と同じですが、異なる点として青色と白色をしていることが挙げられます。
また、有効成分トラネキサム酸の含有量にあわせて、250mg錠と500mg錠の2種類があるのも特徴といえます。

そのほか、ジェネリック医薬品ならではの特徴である「価格の安さ」も見逃せないポイントです。
新薬であるトランサミンカプセル250mgが1錠あたり約30円なのに比べて、トラネミックは約15円です。
トランサミンカプセルによる治療に比べて、コストをおよそ半分に抑えることができます。

止血、炎症の治療に加え、トラネキサム酸にメラニン色素の生成を抑制するはたらきがあることから、シミやそばかすの治療に用います。

トラネミックの詳細はこちら

BIHAKUENトラネキサム酸

BIHAKUENトラネキサム酸は、ロイドラボラトリーズ社が開発した美肌効果のある医薬品です。
有効成分トラネキサム酸のはたらきによってメラニン色素の生成や沈着を抑え、そばかすやシミを改善します。
また、抗炎症作用や止血作用も有することから、扁桃炎や口内炎の治療に用いることもあります。

トランサミンカプセルのジェネリック医薬品であり、こちらもカプセル剤として開発されています。
ただし、新薬と違って青色と白色で構成されているという特徴があります。
そのほか、250mg剤だけでなく500mg剤も販売されている点、新薬のおよそ半額(250mg錠なら1錠あたり約18円)で購入できる点なども要注目です。

トラネキサム酸の作用機序

何かしらの原因によって出血した場合、健康な状態であれば時間の経過によって血は自然に止まります。
これは生体に備わっている止血機構のはたらきにより、血液が固められるためです。
しかし、血液が過度に固まると血管内のあちらこちらに血栓が作られ、血液循環に悪影響を及ぼします。
そうならないために、通常は「線溶系(線維素溶解系)」と呼ばれるはたらきによって適度に血栓を溶かしています。
この線溶系に大きく関係しているのが、タンパク質の一種であるプラスミンです。

しかし、何らかの原因によってプラスミンが過剰に働くと、止血機構によって作られた血栓が溶けやすくなります。
その結果、うまく止血できず、出血量が増します。

このようなメカニズムによって起こる出血に対して、トラネキサム酸が効果を発揮します。
プラスミンと受容体の結合を防ぐことで、線溶系のはたらきを抑制、出血を抑えることができます。

トラネキサム酸の併用禁忌薬

トランサミンやそのジェネリック医薬品など、トラネキサム酸を含有する医薬品を使用する際は、併用禁忌薬と併用しないように注意しましょう。

併用禁忌薬とは、飲み合わせが悪く、併用によって人体に深刻な悪影響が及ぶ危険があるもの。具体的には、止血剤のひとつであるトロンビンが挙げられます。
いずれも血栓形成を促進するはたらきがあることから、相乗効果によって血栓の形成を過剰に促進してしまうおそれがあります。

KEGG - トラネキサム酸

トラネキサム酸の併用注意薬

トラネキサム酸には併用禁忌薬だけでなく、併用注意薬もいくつか指定されています。
併用注意薬とは、医薬品の効果が損なわれたり人体に悪影響が及んだりするおそれがあることから、医師に相談したうえで慎重に取り扱う必要がある医薬品をいいます。

トラネキサム酸の場合、止血薬であるヘモコアグラーゼが挙げられます。
服用量が多い場合、血栓の形成が過剰に行われるおそれがあります。
また、バトロキソビン(血栓・塞栓症の発症率が高まるおそれがある)、血液凝固因子製剤(局所的に血栓の形成が過剰に行われるおそれがある)なども併用注意薬に指定されています。

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