フルナーゼ点鼻液
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フルナーゼ点鼻薬は、花粉症などで起きるアレルギー性鼻炎などの治療薬です。鼻に噴霧するステロイド薬で、強力な抗炎症作用を持っています。免疫の働きを抑え、過剰な反応を鎮めて炎症を和らげていきます。
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商品詳細
フルナーゼ点鼻液とは、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の症状を和らげてくれるアレルギー治療薬です。国内では1994年から販売が開始された、鼻に噴射して使うタイプのステロイド薬となります。
アレルギー性鼻炎の治療薬というと、例えばアレグラのような抗ヒスタミン薬が有名でした。
しかし2016年にアレルギー治療のガイドラインが見直され、フルナーゼ点鼻液のような鼻噴霧用ステロイド薬の使用機会も増えています。
フルナーゼ点鼻液の特徴フルナーゼ点鼻液には、2つの特徴があります。
■ステロイドによる高い治療効果
■副作用が起こりにくい
フルナーゼ点鼻液は、ステロイド成分を含有した点鼻液です。
強力な抗炎症作用を持つステロイドを直接鼻の中に届けられるため、くしゃみや鼻水、鼻づまりのような症状をしっかりと改善してくれます。
しかし、"ステロイド"というと副作用が心配になる方が多いことも事実です。
ですがフルナーゼ点鼻液には「アンテドラッグ」という特徴があります。
アンテドラッグとは、体内に吸収されるとすぐに効果を失ってしまう薬のことです。
そのためからだに与える影響も最小限に留まり、フルナーゼ点鼻液は副作用が起こりにくい薬となっているのです。
フルナーゼ点鼻液の効果・効能フルナーゼ点鼻液などのステロイド薬は、体内で良くも悪くも様々な効果を発揮する薬です。
それらの中でも、アレルギー性鼻炎治療薬としての効果は2つあります。
■抗炎症作用
例えば花粉症では目が赤くなることや、鼻づまりなどのアレルギー症状に悩まされることもあります。
この時に目や鼻に炎症を起こしているのが、「PG(プロスタグランジン)」や「ロイコトリエン」などの物質です。
これらの化学物質は脂肪酸である「アラキドン酸」によって作られ、またアラキドン酸は「ホスホリパーゼA2」という酵素によって活発化します。
アラキドン酸はもともと細胞膜を形作る物質の1つですが、ホスホリパーゼA2はそこからアラキドン酸を分離させてしまうのです。
ホスホリパーゼA2がアラキドン酸を増やす → アラキドン酸がPGなどを生み出す → 炎症が起こる
そこでフルナーゼ点鼻液には、ホスホリパーゼA2の働きを間接的に阻害する作用があります。
肌に塗ったフルナーゼ点鼻液が体内に取り込まれると、成分が「グルココルチコイド受容体」という器官と結びつきます。
ステロイドと受容体がくっつくと体内では「リボコルチン」というタンパク質の分泌が促進され、このリボコルチンが直接ホスホリパーゼA2の働きを抑えてくれるのです。
するとアラキドン酸の活動が抑えられ、結果的に炎症の原因となるPGなどの数も少なくなるので目や鼻に起こる炎症を改善できるようになります。
■免疫抑制作用
人のからだには、細菌やウィルスの感染を防ぐための免疫機能があります。
アレルギー性鼻炎などのアレルギーはこの免疫機能が、例えば花粉やホコリなどあまり害のないモノにも敏感に働いてしまうことで現れます。
そのため免疫機能を弱めることが、アレルギーの症状を抑えることに繋がることが分かります。
まず人のからだに異物(アレルゲンや細菌など)が侵入すると、リンパ球の一種である「B細胞」が反応してシグナルを発します。
発せられたシグナルは体内を巡り、「NF-kB」と呼ばれる物質に伝達されます。
するとNF-kBが活発化し、からだを守るために必要な化学物質などを作り出します。
つまり免疫機能を弱めるには、NF-kBの働きを抑えなくてはなりません。
そこでフルナーゼ点鼻液は、からだに取り込まれるとグルココルチコイド受容体とくっつきます。
このフルナーゼ点鼻液と受容体の結合体はNF-kBに直接働きかけ、その活動を阻害してしまうのです。
免疫機能の要でもあるNF-kBの働きを弱めることで、免疫抑制作用が発揮されます。
服用方法・使用方法
フルナーゼ点鼻液の使用方法は、次のようになります。それぞれの鼻腔に1噴霧を1回とし、1日2回使用
症状によって適宜増減し、1日の最大量は8噴霧までとなります。
またフルナーゼ点鼻液の効果を十分に得るためには、継続して使用することが必要です。
フルナーゼ点鼻液の注意点■肥厚性鼻炎や鼻茸の患者さん
重症化した肥厚性鼻炎や鼻茸の患者さんがフルナーゼ点鼻液を使用する場合は確実に効果を得るために、これらの症状をある程度緩和できるように他の治療法を併用すると良いとされています。
■鼻の症状が悪化した場合
フルナーゼ点鼻液の使用により鼻の症状が悪化した場合、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を短期間だけ併用し、また症状に合わせてこれらの薬を徐々に減量するようにして下さい。
■通年性の患者さん
フルナーゼ点鼻液の効果には、持続性があることが認められています。
特に症状が一年中現れる通年性の患者さんが長期的に使用する場合、症状が改善された状態が続くようであればフルナーゼ点鼻液の減量または休薬を行って下さい。
■季節性の患者さん
花粉症などの季節性の疾患に対してフルナーゼ点鼻液を使用する場合、好発機を踏まえた上で使用を開始してアレルゲンとの接触がなくなるまで使い続けることが望ましいとされています。
■ステロイド薬の減量
全身性ステロイド薬の減量は、フルナーゼ点鼻液の使用を始めてから症状を観察して徐々に行うようにして下さい。
また減量をする際は、一般的なステロイド薬の減量法に従って下さい。
■全身性ステロイド療法を受けている場合
長期的に、または大量の全身性ステロイド療法を受けている患者さんの場合は副腎皮質機能不全が起きていることが考えられます。
全身性ステロイド薬の減量中や離脱後は"副腎皮質機能検査"を行い、ケガや手術、重い感染症などには注意して下さい。
また必要があれば一時的に全身性ステロイド薬の増量を行って下さい。
■ステロイド薬の減量や離脱
全身性ステロイド薬の減量や離脱をする際に次のような症状が現れたり、また悪化することがあります。
- 喘息
- 湿疹
- 蕁麻疹(じんましん)
- 目まい
- 動悸
- けん怠感
- 顔のほてり
- 結膜炎
これらの症状が現れた場合は適切な処置を行って下さい。
■全身性の副作用に注意
可能性は低いものの、フルナーゼ点鼻液の使用により全身性の副作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障など)が現れることがあります。
特に長期間、大量に使用している場合は定期的に検査を行い、全身性の副作用が確認された場合は適切な処置を行って下さい。
副作用
フルナーゼ点鼻液の副作用は、次の通りになります。過敏症 | 頻度不明 | 発疹、浮腫(むくみ) |
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鼻腔 | 頻度0.1~1%未満 | 鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感)、鼻出血、不快臭 |
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口腔ならびに呼吸器 | 頻度0.1%未満 | ノド症状(刺激感、乾燥感)、不快な味 |
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精神神経系 | 頻度0.1%未満 | 頭痛 |
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頻度不明 | 振戦、睡眠障害 |
その他 | 頻度不明 | 眼圧上昇、鼻中隔穿孔 |
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※赤文字の症状が現れた場合、フルナーゼ点鼻液の使用を中止して下さい。
重い副作用症状
アナフィラキシー | 蕁麻疹、皮膚の赤み・かゆみ、くしゃみ、せき、ゼーゼーと息苦しい、眼のかゆみ、くちびるの腫れ、腹痛、嘔吐 |
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注意点
フルナーゼ点鼻液の併用禁忌薬は、特にありません。フルナーゼ点鼻液を使用できない方■有効な治療薬がない感染症、全身の真菌症の患者さん
■フルナーゼ点鼻液の成分フルチカゾンプロピオン酸エステルに過敏症(アレルギー)の既往歴のある方
フルナーゼ点鼻液との併用に注意が必要な薬■CYP3A4阻害作用を持つ薬
併用により、全身性ステロイド薬を服用した場合と同じようなすく作用が生じる可能性があります。など