早漏(そうろう)とは
早漏(PE)とは自分の意志とは関係なく、女性が満足する前に我慢できず射精してしまうことです。
このとき「性行為の際」であることがポイントとなります。
- P・・・Premature(早すぎる)
- E・・・Ejaculation(射精)
オナニーでの早漏は自分で気持ちのいいところを分かっているので、言ってしまえば当たり前の現象なのです。
日本人男性の80%が早漏であると考えられており、特に10~30代の方に見られる症状です。
しかし、若い男性ばかりではなく40代以上の方も多く悩んでいて、その場合、同時にEDを発症しているケースも少なくはありません。
早漏の定義
一般的な早漏の定義は以下のようになります。
- 挿入前や挿入後における1分以内の射精
- 挿入後の射精をコントロールできない
- 女性を満たすことができないから、性行為が苦痛やストレスなものになってしまう
早漏に悩む男性は多くいますが、その基準はとても曖昧なものでした。
「3分以下」と言う方もいれば「5分以下」「ピストン運動が10回以内」「射精コントロールがまったくできない」と言う方もいます。
「2分以内の射精でも女性が満足していれば早漏の治療対象とはならない」と言う専門家もいました。
逆に「30分挿入を続けられたとしても女性が満足していなければその性行為は失敗である」と言う専門家もいて、その見解はさまざまでした。
ハッキリとした定義がなかったため、2007年10月に国際性医学会議の主導により定義の検討が行われました。
その結果、2008年5月に上記の定義が発表されたのです。
いつから早漏がマイナスなイメージを持たれるようになったのかはハッキリと解明されていませんが、有力な説では明治時代からではないかと言われています。
江戸時代は精液が出なくなることが男性器の悩みでした。
明治時代の初期には西洋医学が導入され「妊娠」や「生殖器」など「性」に関するものが医学的に分析されるようになったのです。
指南書も出され、それらが比較対象となり、早漏に対してコンプレックス意識が生まれたのではないかと考えられています。
また「ペニスの文化史」では「射精の早さは社会によって価値観が違う」という記載もされていました。
早漏は男性にとっても女性にとっても深刻な性の悩みではありますが、アフリカのある民族では「早漏=最強」と言われているところもあります。
早ければ早いほど強い男ということなのでしょう。
性行為というのは本来「子孫を残すため」の行為であり、動物のように性行為中に敵襲にあわないためにも、素早く済ませるということなら納得はいきます。
早漏の治療方法
早漏は男性にとって尽きない性の悩みのひとつです。
しかし、早漏だからといって諦める必要はありません。
以下に、早漏を克服する方法をいくつかご紹介します。
早漏治療薬による改善
早漏防止薬として代表的なのがプリリジーです。
飲む早漏防止薬なので、性行為を行う前にパートナーにばれずにコッソリ服用することができます。
世界的にも信頼されており、国内でも100万人以上の方が使用しているのです。
72%という高確率で早漏対策ができるお薬です。
市販での販売は行っていないので病院で処方してもらうか、海外通販で購入するかのどちらかになります。
また、敏感すぎてすぐに射精してしまうという男性には、塗る早漏防止薬で局所麻酔薬のキシロカイン(リドカイン)を使用した早漏防止法が効果的です。
更に、早漏とED治療の両方に効果のある医薬品もありますので、早漏克服と共に勃起力にも自信をつけたいという男性は、下記の商品もご検討ください。
早漏防止トレーニング
プリリジーといった早漏防止に有効なダポキセチン配合の医薬品を服用しながら、早漏防止トレーニングを行うのも、ひとつの対処法です。
トレーニングには「セマンズ法(スタートストップ法)」と「スクイーズ法(スクイーズテクニック法)」という方法があり、オナニーでも行えますし、女性と一緒に行うこともできます。
敏感すぎて早漏になってしまう方や、心の問題で早漏が起きてしまう方にはおすすめです。
また「PC筋トレーニング」といった筋肉を鍛える方法もあり、筋肉が衰えてしまって射精してしまう方には特にオススメです。
体位で防止する早漏
早漏治療薬と併せて、性行為の際の体位で予防するとより効果的だと考えられます。
「正常位」や「騎乗位」は激しく動きやすいので、早漏を招く引き金ともなります。
逆に「対面上体立位」や「座位」「測位」などは激しく動きづらいですが、ゆっくりリラックスして性行為ができるので、早漏を解消できるでしょう。
この他にも男女どちらとも動きづらい体位であれば、早漏防止につながります。
食生活で早漏を治す
食生活での早漏予防は、心の問題を抱えている方にオススメです。
自律神経の乱れによって射精が引き起こされるので、食べ物や飲み物で心を落ち着かせましょう。
牛乳やチーズ・ヨーグルトといった「乳製品」や「牡蠣」「バナナ」「赤身肉」「緑茶」などは早漏に効くと考えられています。
上記の対策法を一気に全部行わずとも早漏治療薬を服用しながら、できることから少しずつやってみましょう。
早漏の原因
多くの男性を悩ませている早漏ですが、引き起こされる原因はおもに3つあります。
- からだの問題(過敏性早漏)
- 加齢による衰えの問題(衰弱性早漏)
- こころの問題(心因性早漏)
過敏性早漏
早漏の原因でも特に多いのが過敏性早漏です。
性的興奮を受けていなくても男性器が敏感すぎて、ちょっとした性的刺激にも反応して射精にいたってしまいます。
一度は耳にしたことのある「みこすり半(3回こすっただけで射精)」とは、この過敏性早漏のことを指しています。
スポーツマンや10代20代、包茎の方に多い早漏原因です。
包茎の方の過敏性早漏については注意点があります。
包茎は「仮性包茎」「真性包茎」「カントン包茎」の3つがありますが、早漏の原因になるのは「仮性包茎」のみです。
仮性包茎は普段、亀頭が皮で覆われているので刺激に敏感になっています。
そのため性行為の際の刺激に弱いため、耐えられず射精してしまうのです。
日本人男性のおよそ70%が仮性包茎で、真性包茎の割合は1%ほどでとても稀だそうです。
仮性包茎は必ずしも包茎手術をしたほうが良いというわけではありませんが、包茎であると菌が繁殖しやすい状態にあります。
そのため包茎しかならない性病(性感染症)もあり、それを「膣カンジダ症」と言います。
名前からして女性に多いのは分かると思いますが、包茎の男性にも罹る可能性があります。
「自分は清潔にしているから大丈夫」というわけにもいきません。
なぜならこの膣カンジダはカビが原因となっており、包茎だと男性器の通気性が悪いため感染しやすくなるのです。
衛生面や性病予防を考えるのであれば、包茎手術は行ったほうが良いと考えられます。
包茎をなおすことで、性病対策と早漏の改善につながることもあります。
衰弱性早漏
男性には、おしっこや射精に関係する「射精閉鎖筋(PC筋)」という筋肉があります。
加齢によってこの筋肉は衰えていき、高齢になるとおしっこが我慢できなくなるように、射精を我慢することが難しくなるのです。
射精の勢いもなく「ドロ~」っとした感じで精液が出ます。
40代以上の方に多くみられるのが特徴です。
普段、生活習慣に気を付けて健康的な生活を送っていても、日頃から筋肉のトレーニングを行っていなければ衰えていく一方です。
衰えというのは、年齢を重ねていけば誰にでも共通して起こるものなので、避けることはできません。
ですが、いくつになっても早漏で悩まないためにも、早漏治療薬と合わせて筋肉のトレーニングを行うことも早漏の対策の一環です。
精子と精液は同じものだと思われがちですが、このふたつはまったく異なるものです。
- 精子・・・精液のなかの生殖細胞
- 精液・・・精子を守る液体
射精された粘り気のある液体が精液です。
精液のなかの精子はわずか1%ほどしかありません。
その1%に数千万~数億個の精子があるのです。
ガマン汁や先走り汁とも呼ばれるカウパーは精液ではなく、尿と精液が混ざらないよう中和してくれる役割があります。
心因性早漏
女性が思っているよりもずっと男性は繊細な生き物です。
一度でも早く射精してしまったり過去の性行為の失敗を引きずことで、焦りや不安に襲われて再び早漏を引き起こします。
早漏のコンプレックスは早漏を悪化させるだけなのです。
心因性早漏は女性に抵抗を感じていたり、女性と関わる機会が少ない方に多くみられます。
こころというのは自律神経と密接な関係にあります。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」というものがあります。
交感神経は緊張や興奮・射精時にはたらき、副交感神経はリラックスしたときや勃起時にはたらきます。
射精の早い方は、副交感神経より交感神経が強くはたらいてしまっていることに起因します。
そして、これらの神経には「ノルアドレナリン」と「セロトニン」という神経伝達物質が大きく関係しているのです。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは興奮や不安・緊張などを感じているときにはたらき、性的興奮が高まると激しく分泌されて交感神経を活発にしてしまいます。
セロトニン
セロトニンはリラックスした状態のときにはたらき、副交感神経を優位にしてノルアドレナリンの活動を抑える役割があります。
早漏の方はこのセロトニンの分泌量が少ないです。
セロトニンは1秒間に2~3回常に分泌されており、体内の分泌量が少ないとノルアドレナリンが好き勝手にはたらいてしまうため、人によっては瞬殺・秒殺の射精になってしまいます。
射精をコントロールするということはセロトニンによって副交感神経を活発にして、ノルアドレナリンによる交感神経が活発になるのをおさえ、射精までの時間を延ばすということなのです。
性行為や早漏にコンプレックスを持つということは、性行為をしても集中できずに気持ちが落ち着かない状態で、交感神経が活発になって射精にいたるという負のスパイラルが起こるのです。
なので、こころの乱れは神経の乱れと言っても過言ではないでしょう。
性行為をするにあたって大切なのは、興奮を感じながらもリラックスした気持ちで行うことです。
ノルアドレナリンもセロトニンも「三大神経伝達物質」のひとつであり、残りのひとつが「ドーパミン」という物質です。
これら3つは「モノアミン」とも言われています。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、セロトニン不足は早漏だけではなく、EDやうつ病、摂食障害など、こころと体に何かしらの障害を引き起こす原因にもなるのです。
早漏に対する女性の考え方
早漏について女性はどのような考えを持っているのか、このことを気にしている男性は多いと思います。
一般的に早漏はマイナスに捉えられがちですが、女性全員がそのように思っているのかというと違います。
早漏と遅漏に対する女性の意見をご紹介しますので、参考にしてみてください。
早漏のほうがいいという女性
- 長い挿入時間は疲れる
- ずっと挿入されて痛くなるよりマシ
- 挿入時間が長いと「私ではイケないのか」と不安になる
- 早いと「私で感じてくれたんだ」と思う
- 前戯をしっかりしてくれれば問題はない
- 回数をこなしてくれればOK
- 早くイかれるのは寂しいけど、早いなりに我慢してくれたのかなと思うと可愛らしい
- 早漏だと言うことを伝えてくれて愛情を感じさせてくれればOK
中には、こんな意見もありました。
「早漏でもいいけど挿入前の射精はさすがに寂しい」
早漏でも構わないけど前戯に時間をかけて愛情も伝えてほしい、でも挿入前の射精はいや、ということなのでしょう。
遅漏の方からすれば「女性を満足させてあげられないことには変わりはない」と思うでしょうが、これが早漏押しの女性の意見なのです。
遅漏のほうがいいという女性
- 射精が早いとエッチした気にならない
- 早漏は一体感を感じられない
- 愛されているのか不安になる
- 早漏の慰めに困る
- いろんな体位ができる
- 自分も気持ちよくなれる
世間の女性の意見をまとめてみたところ賛否両論はありますが、遅漏より早漏のほうが良いという意見のほうが多いようです。
早漏が絶対的に悪いことではないということは分かりました。
しかし「男性だけが満たされている」といったフラストレーションが女性を苦しめ、破局や離婚を招くというケースも少なくないようなのです。
早漏でもいいと言ってくれていたとしても、少しくらいは満足したいと思うのも女性の本音です。
女性が望む平均挿入時間
- 1位:5~10分
- 2位:10~20分
- 3位:20~30分
- 4位:1~5分
これは、女性が望む平均挿入時間のランキングです。
大体15分ほどは挿入してもらいたいということが分かります。
一方で、日本人男性の平均挿入時間のランキングは以下のようになります。
- 1位:7~9分
- 2位:1~3分
- 3位:5~7分
- 4位:1分以下
もっとも多いのが7~9分でした。
オランダ・イギリス・スペイン・アメリカ・トルコの世界5ヶ国で、500組のカップルに協力してもらい挿入時間について調査を行ったところ、平均時間は5分ほどだということが分かりました。
一番早い方は33秒で、一番長い方は44分だそうです。
性行為は男性が一方的に満足するものではなく、女性と一緒に快感を得てこそのものです。
言い換えると、男女どちらともに気持ちよくなって成り立つのです。
少しでも挿入時間を延ばしてパートナーとより良い関係を構築するためにも、早漏改善や早漏防止は行うにこしたことはありません。
ある程度、早漏が改善できて射精をコントロールできるようになると、女性器の変化や温度・人による女性器の違いなど、些細なことも感じ取れるようになります。
女性がイッたふりをするのも、感じ取れるようになったりということもあるかもしれません。
男性としての威厳を保つことや、パートナーとの関係を気まずくさせないためにも、早めの早漏治療をオススメします。