抗認知症薬

抗認知症薬とは

認知症の治療において、薬物療法はとても重要です。
現代の医学で認知症を完治させる方法は見つかっていませんが、適切な薬を服用することで症状の進行を遅らせることができます。
症状の進行を遅らせると、患者さんや周りの介護者の方の負担を減らすことにも繋がります。

実際に医療の現場で認知症の治療に用いられているのは、「向精神薬」と呼ばれる種類です。
向精神薬とは精神、つまり脳に作用する薬のことになります。
一般的に、向精神薬はうつ病など精神疾患の治療薬として精神科で処方される薬というイメージを持たれがちです。

しかし認知症もまた脳の病気が引き金となって物忘れや徘徊などの症状が起こり、さらに不安感や抑うつ気分に苛まれることもあります。
そのため向精神薬が脳に働きかけることで、認知症の症状を軽減することもできるのです。
また認知症の症状は記憶障害などが見られる「中核症状」と、中核症状が原因となって現れる「周辺症状」の2種類に分けられます。
症状によって効果的な治療薬も異なり、"中核症状に有効な向精神薬"はまとめて「抗認知症薬」と呼ばれています。
その他の周辺症状には抗認知症薬以外の向精神薬が用いられるので、しっかりと薬を使い分けることが大切です。

中核症状に有効な抗認知症薬

中核症状とは自分や家族の記憶を無くしてしまったり、今まで普通にできていた行動ができなくなるなどの症状のことを表します。
認知症の患者さんには誰にでも起こりうる症状です。

中核症状を軽減するために用いられるのが、抗認知症薬です。
国内でよく用いられる抗認知症薬には、次のような種類があります。

種類によってメカニズムは異なりますが、いずれも脳内の情報伝達をサポートしたり、あるいは脳細胞の死を防ぐことで脳の働きを活性化させる薬です。
認知症は脳の異変の起こり方によって様々な種類に分かれますが、これらの抗認知症薬は患者数が一番多いアルツハイマー型認知症に対し全て有効性があります。
特にアリセプトは、男性に多いレビー小体型認知症にも有効です。

またアリセプトに「ドネペジル」、メマリーに「アドメンタ」や「エビクサ」などのジェネリック医薬品が販売され、病院に通うことが難しい場合は自宅での治療も可能になっています。

周辺症状に有効な向精神薬

周辺症状とは、中核症状が原因となって起こる症状です。
患者さんを取り巻く環境、本人の性格などが絡み合い、人によって異なる症状が現れます。
例としては介助の拒否や暴言・暴力などの症状が見られ、周辺症状は患者さんだけでなく介護者の負担に繋がることも多いです。

周辺症状に対しては、次のような向精神薬が用いられます。

ここからはそれぞれの薬が、どのような症状に有効なのかを解説します。

■抗うつ剤
脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質に働きかける薬です。
患者さんがうつ状態になり、元気がない時などに使用されます。

など

■抗不安薬
不安障害に用いられ、不安や緊張を鎮めてくれる薬です。
認知症によるイライラや不安感を和らげるために用いられることもあります。

など

■睡眠薬
認知症の患者さんの多くに睡眠障害が見られ、夜に寝付きが悪くなり昼夜逆転する場合もあります。
そのような時には、睡眠薬が用いられます。

  • アモバン
  • ルネスタ
  • マイスリー
  • ロゼレム

など

これらの睡眠薬の中ではアモバンに「ゾピコン」や「ゾピクロバン」、ルネスタに「フルナイト」や「ハイプナイト」、ロゼレムに「ラメルテオン」のようなジェネリック医薬品があります。

■抗精神病薬
脳の興奮状態を抑える作用を持つ薬です。
統合失調症や躁うつ病などに用いられる薬ですが、認知症による暴言・暴力や幻覚、被害妄想などの症状を抑える目的にも使用されます。

  • リスパダール
  • エビリファイ
  • ジプレキサ

など

エビリファイのジェネリック医薬品「アリップMT」や「アリピゾル」などは、通販でも購入可能です。

■抗てんかん薬
認知症が進行した時に見られるてんかん発作は、抗てんかん薬で抑えることができます。
また抗てんかん薬は脳内の"興奮"と"抑制"のバランスをとる作用があり、認知症患者さんの気分の変調を落ち着かせる効果もあります。

  • デパケン
  • テグレトール

など

これらの抗てんかん薬を認知症の治療に用いる場合、てんかんの治療に使う時よりも少量で服用することが基本です。
近年、テグレトールには「カラゼピン」など通販でも購入できるジェネリック医薬品も登場しています。

抗認知症薬
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