ジェネリック医薬品とは

先発薬と同じ成分・効果を持ちながら、購入コストを大幅に削減できるジェネリック(後発医薬品)について解説します。

ジェネリック医薬品とは

ジェネリックとは英語でGenericと書き、「一般的な」「ブランドに囚われない」という意味です。

先発薬と同じ成分でつくられ、効能や安全性が認められた医薬品がジェネリック医薬品です。

ジェネリック医薬品の有効性は厚生労働省に認可されており、日本国内において年々膨らみ続ける医療費の削減に効果があると期待されているため、国もジェネリック医薬品の使用を推進しています。

ジェネリック医薬品が安価な理由

ジェネリック医薬品が安価な理由

ジェネリック医薬品の最大の特徴は安さです。
新薬と比べると3~7割の負担で購入できます。

1,000円の新薬だとしたら、ジェネリック医薬品は300~700円になります。
"安い"="質が悪い"と思われがちですが、そうではありません。

ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)を元に作られた「後発医薬品」と呼ばれています。
ジェネリック医薬品は新薬と同等の有効成分と製法で作られ、新薬と変わらない効果が得られる医薬品です。

ではなぜ、新薬と同等のジェネリックを、新薬よりも安価で手に入れることができるのでしょうか?
先に結論を言うと、ジェネリック医薬品は開発する期間が短いため、開発費用が大幅に削減できるのです。
新薬の開発には10~15年ほどの長い期間がかかり、その費用も約500億円に上るといわれています。
新薬の開発過程は、実に地道な道のりです。

まずはじめに薬の有効成分を探索し、非臨床実験(動物実験)を実施、治験(人に投与する実験)にて症例を収集、効果と副作用を確認して厚生労働省へ認証の申請をします。
そして認証されてやっと、新薬として世の中へ流通されます。

こうして時間をかけて作られた新薬を元にジェネリック医薬品は作られていますが、新薬が開発されてすぐに作られてしまうと、みんな安価で手に入るジェネリック医薬品を買って、新薬が売れなくなってしまいますよね。
そんなことが起こらないために、すべての新薬を作った製薬会社には特許権というものがあります。
他の製薬会社に薬の成分や、製法を真似されないための権利です。
絵画でいうところの著作権にあたるようなものでしょうか。

この特許権の期間が切れると、他の製薬会社が同等の有効成分と製法で医薬品を作ることが可能となり、そこから誕生するのがジェネリック医薬品です。
特許権が切れたあと、ジェネリック医薬品はたったの3年~5年の開発期間で販売されます。

新薬開発の時点で、すでに臨床実験は行われているので、それも省略することができます。
これらのことからジェネリック医薬品は新薬よりも費用がかからず、安価で手に入れることができるのです。

~特許権について~

特許権には「物質特許」と「製法特許」の2つがあり、日本ではどちらも認められています。
特許権は他人の使用を差し止めたり、損害賠償を行うことができる権利です。
特許権者の許可なく、医薬品を真似したり販売などをすると、膨大な額の損害賠償が請求されてしまいます。
ここで注意してほしいのは、この特許権は販売開始されてから発生するものではないということです。

さまざまな実験を経てから厚生労働省に認定の出願して、無事に審査を通り名簿に登録されると、特許権が発生するという仕組みになっています。
特許権は出願から20年間という決まりがありますが、すぐに審査が通るとは限りません。
たとえば審査に3年かかってしまった場合は、その分を削られて特許権は17年間しか有効利用できなくなります。

医薬品の場合、安全性の確保を証明をするために実験や検査が繰り返し行わなければならない場合もあり、そうなると削られた特許期間では足りなくなることがあります。
そのため、例外的に特許権の存続期間を、最大5年延長できるという措置が設けられています。

ジェネリック医薬品のメリット

ジェネリック医薬品のメリット

ジェネリック医薬品は安価で手に入ることのほかにも、新薬と同じまたは優れている点がたくさんあります。

安価なジェネリック医薬品はどうしても安かろう悪かろうと思われがちですが、新薬の開発時点で効果や安全性が十分に確認されており、その有効成分や製法をもとに作られています。

高い品質を認められた新薬と同じ薬と捉えて良いといえるので、安心して服用・使用することができます。

錠剤を飲み込むときにサイズが大きくてのどを通りにくい」「苦みが気になる」と思ったことはありませんか?
小さな子供やお年寄りの方は、特に気をつかうことだと思います。
ジェネリック医薬品は薬の形状や色、味、添加物などを改良し、水なしで飲めるOG錠(口腔内崩壊剤)にしたり、小型化や飲みやすい剤形に変更したり、苦みを軽減するなどの工夫をしています。

また飲み間違いを防ぐために、薬の名前を錠剤に印刷しているものもあります。
飲み薬だけでなく、医療関係者のために医療器具の改良も行っています。
注射器をキット化(はじめから注射筒に薬が入っているもの)したり、薬の取り違い防止に製品名を大きく表示、薬効名を記載するなどの工夫をしています。

ジェネリック医薬品の効果と副作用

ジェネリック医薬品の効果と副作用

ジェネリック医薬品は、新薬と同じ効果が得られることを確かめるために、たくさんの厳しい試験が義務付けられています。

薬の効果を得るために、重要なのは薬の溶け方です。
溶けるべき場所で溶けないと、いくら優れた薬でも十分な効果は得られません。

酸性やアルカリ性を使って、新薬とジェネリック医薬品の溶け方を比べる溶出実験や、同じ人が新薬とジェネリック医薬品を同じ条件で飲み、血中薬物濃度を比べる生物学的同等性試験などを行って、効果や安全性を確かめています。

ジェネリック医薬品は薬の小型化や剤形、添加物の変更をしていますが、それが新薬との効果に差がでることはありません。
新薬やジェネリック医薬品に限らず、すべての薬に副作用はつきものです。
ジェネリック医薬品は新薬をもとに作られているので、効果も副作用も同じです。

副作用は必ずしもあらわれるとは限りませんが、もし気になる症状があれば、すぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。

ジェネリック医薬品を活用した節約術

ジェネリック医薬品を活用した節約術

病院から処方された薬を高額だと感じたことはありませんか?

日本は医療保険制度が充実しているので、1週間程度で治るような軽い風邪や病気の場合は、高額と感じることはあまりないと思います。

しかし、1ヶ月、3ヶ月…1年以上の長期的な治療が必要となる病気の場合はどうでしょう。

たとえば、AGA(男性型脱毛症)は、治療の効果がみられるまで半年以上かかる病気です。
AGAの薬は、プロペシアがよく使われています。
1箱(28錠入り/1日1錠)の値段は、新薬は6,500円、ジェネリック医薬品は4,900円です。

プロペシアはジェネリック医薬品の解禁からあまり時間が経っていないこともあり、現在は7割負担の値段に設定されています。
今後はさまざまな会社からジェネリック医薬品が売り出されるようになり、どんどん安くなると思われます。
新薬とジェネリック医薬品の費用を比較してみると、次のようになります。

AGA プロペシア6ヶ月分の場合(1ヶ月を30日間とする) 30日×6ヶ月=180日間:約6箱(168日分)必要

  • 新薬・・・6,500円×6箱=39,000円
  • ジェネリック医薬品・・・4,900円×6箱=29,400円

新薬ではなくジェネリック医薬品を選択すると、約1万円分の負担を削れるということがわかりました。
AGAのように長期的な治療が必要となる病気の場合は、ジェネリック医薬品を選択することをオススメします。

ジェネリック医薬品を選ぶことは個人だけでなく、医療保険財政の負担も軽減できます。
少子高齢化が急速に進んでいる日本では、国がまかなっている医療費は約40兆円、そのうちの20%は薬剤費です。
費用は年々増加しており、2025年には医療費が54兆円に上ると予測されています。

このまま医療費がふくらみ続けると、医療保険制度が維持できなくなってしまう可能性があるのです。
もし特許が切れた新薬をすべてジェネリック医薬品に切り替えると、年間約1.5兆円抑えられるとされています。
このことから厚生労働省では、ジェネリック医薬品の使用促進を積極的に取り組んでいます。

ジェネリック医薬品の普及率

ジェネリック医薬品の普及率

ジェネリック医薬品は現在、世界中で普及しています。
日本での普及率は年々伸びてはいますが、2015年で54%とまだ低い状況にあります。

それに比べて現在のアメリカでは92%、ドイツは83%、イギリスでは73%と、とても高い普及率になっていて外国では一般的な薬です。

これらの国は、日本よりも医療保険制度が整っておらず、莫大な医療費負担がかかることが以前からの課題でした。
ジェネリック医薬品を買うことで負担を軽減できることから、これらの国では一般的に使われているのです。

日本の普及率が低い理由には、医療保険制度が充実していることのほかに、医療関係者な間でジェネリック医薬品の品質や安全性、効果などについて、十分な信頼が得られていないことがあげられます。

しかし日本でも、近年医療費の増加が懸念されているため、厚生労働省は2017年中までに70%以上に、2018年~2020年の間に80%以上に普及率を上げる取り組みを行っています。

インド製ジェネリック医薬品

インド製ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品は特許権が切れてからでないと解禁できません。
ですから、特許権が発生したばかりの新薬には、ジェネリック医薬品がありません。

もし、かかった病気に効く薬が特許期間中の新薬で、その薬が高額かつ長期的な治療が必要な場合、莫大な負担がかかります。
そんなときにインド製ジェネリック医薬品を選ぶという選択があります。
インド製ジェネリック医薬品は、インドで製造・販売している医薬品です。

このインド製ジェネリック医薬品は、特許期間中の新薬でもジェネリック医薬品として解禁して販売できます。
特許権について読まれた方は「法律違反では?」と思われたかもしれませんが、特許制度はそれぞれの国に基づいて制定される法律で、インドにはインドの特許制度があります。

インドの特許制度では2つある特許権のうち、「物質特許」が認められていません。
つまり、異なる製法で製造すれば新薬と同じ成分を使用でき、ジェネリック医薬品として販売できるのです。
そのためインドのジェネリック医薬品の製造は世界一を誇っており、高額な新薬も安価で手に入ることから、貧困が問題となっている発展途上国で多く使われ、難民の人たちの命をつないでいます。

特許制度は日本と異なりますがインド製ジェネリック医薬品も、日本とおなじく厳しい審査を通って安全性や効果が認められた医薬品なので、安心して使用できます。
しかしインド特許制度に基づいて、薬はインド国内でしか手に入れることができないため、インド製ジェネリック医薬品を手に入れる簡単な方法として、個人輸入という方法があります。

正規のインド製ジェネリック医薬品であれば安全ですが、偽物も多く出回っているので輸入する際は十分に注意してください。

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